mashuu note

ましゅうの日記

思いがけない再会

遥かな昔、25歳頃。念願叶って札幌に勤務地変更となり戻ってきた私と夜な夜な一緒に飲んでいた友人がいた。高校の後輩。一緒の委員会にいた頃に知り合った。当時はお互い付き合っていた人がいたので先輩後輩以上の何ものでもなかった。
札幌で会うようになってからは彼女が勤める小料理屋(何時に入っても閉店直前でも一万円)に通い、その店に集まる怪しげな人々とも仲良くなり、遊びサークルに一緒に参加し、飲み歩いたりスキー旅行に行ったりしていた。友人というにはもうちょっとだけ近い関係、でもステディではなかった。それは自分のせい。
一年くらい経ち私の仕事が忙しくなってきて朝まで飲み歩くなんてムチャもそろそろ出来なくなってきた頃に、煮詰まった感じが我慢ならなくなり、私から一方的に絶縁した。遊びサークルともさよなら。後々思えばそこで知り合った人々と今も付き合い保ってれば楽しいこともあったかもとの思いが頭をよぎらなくもない、結構な立場の人々がいたのだけれど、もうどうしようもない。いかにも、トンがった、トンがらがっちまった若気の至りだ。
別れの後すぐに彼女は家を引越してしまった。数年後、久々に別の友人を介して会うことになった彼女から、相手を見付けて結婚するという報告を受けた。結婚披露宴には出た。歌すら歌った。ご丁寧に二次会まで出た。しばらく年賀状のやり取りをしてそれも途切れた。数年前、人づてに重い病を抱えているらしいという話を聞いた。ならばもう生きてはいないのだろうと最近は頭の中の整理ポストに入れてしまっていた。
先月所用で札幌へ行った夜、札幌医大が見えるあたりに通りかかり、近くにまだあるかも知れないあの店のことを思った。さすがにもう行ってみようという気にもならない。21世紀に入ってから一度も行ってないのだ。ただ、もう戻らない過去を、能天気に飲んだくれていた日々を、ちらと思い出していた。

……と、純文学作品でも書こうとしてるのかと突っ込まれてしまいかねない、しまりのない文章はこれくらいにしときます。

今夜、仕事の必然の中の偶然(まどろっこしい)で、彼女に再会しました。息子と娘を連れて、元気そうでした。まぁ、どこか患っているのかも知れないけど、長々世間話をするのも憚られる場所だったので、「元気で良かった」と言うのが精一杯でした。万感の思いを込めて。

しかし、人生って面白いね! と、つくづく思ったのでした。