mashuu note

ましゅうの日記

根気を要するラノベ

失礼ながら、まだ楽しむに至ってません。島田荘司「Classical Fantasy Within」1巻〜3巻が図書館に入り、表紙のイラストに興味を惹かれて読んでみたもの。

Classical Fantasy Within 第一話 ロケット戦闘機「秋水」 (講談社BOX)

Classical Fantasy Within 第一話 ロケット戦闘機「秋水」 (講談社BOX)

読後のもやもやした気分は何だろう? ミステリ界で長年傑作を世に問うてこられている作家さんがよもやとは思うけれど、世界の構造がものすごく単純で疑問が尽きません。題名にある通りファンタジー作品なのですから、昭和20年の日本と似て異なる世界と捉えて楽しむべきなのでしょうけれども。

ただ、終戦前の時点であそこまで人心が荒むものなのかな? 戦後ならともかく、登場人物たちの厭戦的発言もあけっぴろげ過ぎてて、後の時代から眺めての悪意すら感じられます。荒さを感じる部分もいくつかありました。例えば試作機「秋水」が小中学生の憧れとあったけど、存在すら秘匿されてたモノにどうやって憧れを持てというのか。そういう記述に厳密さを求めないのがライトノベルなのでしょうかね。行間を読んで、陸海軍の兵器開発がフルオープンで報道されている世界だと理解すべきなの? なーんて勘ぐり始めると止まりません。「中学生や高校生」と書かれた部分も戦前戦後の学制がごっちゃになってないかなと思ったりしてね。そりゃぁ旧学制から存在はしてましたけれどもね。

昭和20年をベースとした超科学の世界で少年が冒険する活劇、というのを期待して読んでいたのですが、第3巻のあの終わり方でこれからどう展開していくのかと思うと、来年まで掛かるという全12巻が出揃ってから改めて読み直してみた方が私には良いのかも。士郎正宗の綺麗な挿絵が堪能出来るのは嬉しいのですがね。